公益財団法人ダイヤ高齢社会研究財団
The Dia Foundation for Research on Ageing Societies.
高齢者の住環境に関する研究

RESEARCH

介護保険制度の
住宅改修サービスの効果検証

介護保険制度というと介護職や医療職の方々が訪問したり、デイサービスを利用したり…、そんなイメージがないでしょうか。日本の介護保険制度では、要支援・要介護認定を受けた方が、お住まいで不便を感じたときに、その必要性が認められれば下記の6種類の改修を行うことができます。

・手すりの取り付け
・段差の解消
・床や通路面の材料の変更
・扉の取替え
・便器の取替え
・その他上記に付帯して必要となる住宅改修

しかし、住宅改修は補助的なサービスと思われることも多く、その効果検証は十分に行われてきませんでした。本研究では、自治体の医療・介護レセプト等を用いて、住宅改修サービスの効果を検証しています。

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要支援・要介護高齢者における住宅改修サービスの効果検証

住宅改修サービスに期待する効果として、「できるかぎりその家に住み続ける」という視点があります。本研究では、これを阻む要因を「在宅療養阻害要因」と定義し、住宅改修を利用するとこの要因の発生率が下がるのかを中心に検討しています。

研究成果

要支援・要介護高齢者における施設入所

本研究では、2014~2016年に新規に要支援・要介護認定を受けた高齢者における、認定後2年間の住宅改修サービスの利用とその後の施設入所の関連を医療・介護レセプトを用いて検討しました。

要支援高齢者における要介護度の悪化

本研究では、2015~2016年に新規に要支援認定を受けた高齢者における、認定後半年間の住宅改修サービスの利用とその後の要介護度の悪化と関連を医療・介護レセプトを用いて検討しました。

要支援・要介護高齢者における住宅改修サービスの利用状況

「住宅改修サービスは、どのような方に、どのように使われているのか」、そして「医療・介護・福祉専門職がどのように関わっているのか」を、住宅改修理由書、医療・介護レセプト等を用いて検討しています。

研究成果

「住宅改修が必要な理由書」を用いた記述的研究

住宅改修を利用する際には、どのような理由で、どのような住宅改修を希望しているのかについて「住宅が必要な理由書(以下、住宅改修理由書)」を各自治体が指定する専門職が記載して提出する必要があります。本研究では、この住宅改修理由書を分析し、「要介護度と理由書作成者の職種による違いの検討」を行いました。

要支援高齢者の住宅改修の実施と費用

海外の研究では、住環境アクセシビリティに影響する体の状態として、視力、認知機能、下肢機能などの7種類の心身機能が挙げられています。本研究では、要支援高齢者における住宅改修サービスの利用状況や費用を、この心身機能制限ごとにどのように異なるのかを検討しました。

その他

住宅改修サービスは要支援高齢者の要介護度悪化を予防するのか

https://dia.or.jp/disperse/dianews/pdf/dianews_no113_04.pdf

研究助成元

  • 要支援高齢者における住宅改修の要介護度維持効果(三井住友海上福祉財団)
  • 職種横断的な住宅改修教育システムの構築に向けた医療・介護ビッグデータと住宅改修理由書の連結解析研究(三菱財団)